1日、中国・天津で行われている上海協力機構の首脳会議の第一部が終わると、プーチン大統領とインド・モディ首相はプーチン大統領の専用車に同乗し、二国間会議の場に向かい、車内でほぼ1時間じっくり話し合った。事情を知らされていない両国代表団が待つ会議場に現れた2人は両国旗の前で記念撮影をした。プーチン大統領は挨拶でモディ首相に「親愛なる友よ」と呼びかけ、「今年は両国が特別優遇戦略的パートナシップ関係を結んで15周年になる」と述べた。インドがこれまで続けてきた姿勢というのは多極化した世界を目指すというものであり、できるだけ多くの国と関係を結びたいと考えている。その結果、インドはロシアと非常に近い関係を結ぶ一方で中国にも接近している。近年はアメリカとも非常に緊密な関係を結んできたが、トランプ大統領の関税政策によって緊張した関係になっているようだ。こうした立場を取るインドは和平実現の仲介をすることもあり得るだろう。モディ首相はこれまでに何度か「今は戦争をする時ではない」と述べており、外交と対話による解決を検討するようプーチン大統領に伝えている。今回もプーチン大統領と会談した際にロシアとウクライナの持続可能な平和を確実にするための措置が必要だと改めて述べている。問題はロシア側がインドの和平案を引き入れるかどうかだが、おそらくイエスだろう。しかし同時にウクライナ、最大の支援者であるEUやアメリカはどうかという問題がある。また、一部でウクライナ・ゼレンスキー大統領がインド訪問の可能性を検討するのではないかという報道もあり、これは和平仲介者としてのインドのイメージアップに繋がる。しかしEUやアメリカが賛同するかどうかは分からない。