非常戒厳で揺れる韓国。きょう一日の動きを振り返る。事態が大きく動いたのは午前10時過ぎ、非常戒厳の解除後、ユン大統領が初めて公の場に姿を見せた。弾劾を求める議案の採決を前に生中継で謝罪。ただ、みずからの進退については言及せず、「任期含めて政局を安定させる方法はわが党に一任する」と述べた。日中、ソウル市内にはきょうも多くの人たちが集結。ユン大統領の弾劾を求める声。逆に、弾劾に反対する声が渦巻いた。最大野党「共に民主党」イジェミョン代表のコメント。韓国社会に混乱をもたらした非常戒厳。その内幕も少しずつ明らかになっている。韓国KBSは、国会に展開した軍の部隊を指揮した旅団長の証言を伝えた。司令官から「(非常戒厳の解除を)議決しようとするはずだからドア壊して中に入り国会議員を引っ張り出せ」と連絡を受けた。ただ、旅団長は、政治的中立を損なうと考え、従わなかったとしている。韓国・ユン大統領の弾劾は可決されるのか。鍵となるのが与党の動向。議案は国会議員の3分の2以上の賛成で可決されるため、与党から少なくとも8人が賛成に回る必要がある。大統領の演説後、与党「国民の力」ハンドンフン代表は「大統領は正常な職務遂行が不可能で早期退陣が避けられない」とコメント。与党は、党としての対応を協議するため、けさから緊急の議員総会を開催。午後4時半過ぎ弾劾案などを否決すると確定したとの報道。ぎりぎりまで駆け引きが続いたと見られる。そして午後5時前、国会の中は大勢の人であふれ、騒然とする中、午後5時過ぎ、本会議が始まった。ユン大統領の弾劾を求める議案が取り上げられると、与党の議員が次々と議場から出ていった。議場に残った与党議員は僅か1人だけ。議案の説明をした野党議員は、退出した与党議員一人一人の名前を呼んで、議場に戻るよう呼びかけたが、午後6時20分ごろから議案の採決が始まった。韓国の通信社「連合ニュース」など複数のメディアは、弾劾を求める議案は、事実上、否決される見通しとなったと伝えている。韓国KBS。