中量級・62キロ級でパリ五輪代表となったのが育英大学の元木咲良。藤波朱理が高校1年で優勝した2019年のインターハイ、初戦で対戦し1ポイントも奪えず完敗したのが当時高校3年の元木だった。指導する育英大学の柳川監督も驚くほど運動神経が悪いという。レスリングは不器用な自分でも勝つ方法があるのが魅力だと語った。元木が目指したのは藤波のような多彩な技ではなく、得意技を極めることだった。それがアゼルバイジャンのハジ・アリエフ選手が生み出した技「アリエフ」。片手で相手の頭を押し下げることで攻撃のチャンスを生み出す。腕が長く、手が大きい元木は離れた位置からでも相手の頭に手をかけて抑えることができた。相手の視線が下がり、下がった反動で上半身が浮き上がる。その瞬間にタックルのチャンスが生まれるという。所属する育英大学レスリング部は創部してからわずか6年だが、最新技術を取り入れることでスピードやパワーに頼らない戦い方を模索している。参考になりそうな画像をグループチャットでシェア。選手たちは練習中でも躊躇なく手を止めてスマホを覗き込む。これまでのレスリングの現場では見られなかった光景だ。元木がマットの上での試行錯誤を書き留めたノートは大学時代だけで20冊以上となった。
ことし3月、藤波朱理が育英大学に出稽古にやって来た。階級が2つ上の元木から本番形式のスパーリングを申し出た。互角の攻防が続く中、元木は磨き続けた技「アリエフ」からタックルを決めた。その後、2人はスパーリングの内容を振り返った。
ことし4月、元木はキルギスで行われたアジア選手権に出場。予選から1ポイントも奪われず決勝に進出。相手は地元の英雄アイスルー・ティニベコワだった。序盤から積極的にアリエフを仕掛けるがポイントを奪えない。タックルに行ったところを返され6-9で敗れた。この大会でわかったのは海外勢が日本対策を入念にしていることだった。須崎優衣は初戦で苦戦、57キロ級の櫻井つぐみは決勝で初対戦の中国選手に敗れた。
ことし3月、藤波朱理が育英大学に出稽古にやって来た。階級が2つ上の元木から本番形式のスパーリングを申し出た。互角の攻防が続く中、元木は磨き続けた技「アリエフ」からタックルを決めた。その後、2人はスパーリングの内容を振り返った。
ことし4月、元木はキルギスで行われたアジア選手権に出場。予選から1ポイントも奪われず決勝に進出。相手は地元の英雄アイスルー・ティニベコワだった。序盤から積極的にアリエフを仕掛けるがポイントを奪えない。タックルに行ったところを返され6-9で敗れた。この大会でわかったのは海外勢が日本対策を入念にしていることだった。須崎優衣は初戦で苦戦、57キロ級の櫻井つぐみは決勝で初対戦の中国選手に敗れた。