佐藤弘道さんは今年6月、脊髄梗塞を発症し下半身まひであることを公表した。この5カ月の間、壮絶なリハビリに挑んでいた。脊髄梗塞とは、脊髄につながる血管が詰まり神経が機能しなくなり、歩行障害などを引き起こす。発症から5ヵ月が経った今も腰まわりの感覚がない。長年体を動かす楽しさを伝えて来た人が突如、体が自由に動かない現実に襲われ、何度も絶望しそうになった。しかし救急搬送された翌日、神経の通っていないはずの足が動いた。わずか10日足らずで立ち上がり、運動できるまで回復。救急搬送から2カ月半が経った8月半ば、笑顔で退院を果たした。それから2ヵ月ほど経った今、付き添いなしで1人でリハビリに通えるまでになり、毎週のように過酷なリハビリを行っている。しかし腰回りの感覚がないことで、自分の意思で排せつをコントロールできない時もあるため、こまめなトイレが欠かせない。8月からは病院でのリハビリに加え、パーソナルジムでトレーニングに励んでいる。健康な人でも容易ではないメニューで自らを追い込んでいる。壮絶な努力の末、わずか5ヵ月で自力で歩けるまでに回復。奇跡の回復を支えたのは家族の存在。どん底にいた佐藤弘道さんに家族は明るく、ポジティブな言葉をかけ続けた。さらに病気を公表してから、体操教室で訪れた学校の子供たち、同じ病気と闘う人達から数多くの応援の声が寄せられた。その期待に応え、もう一度体操がしたいという思いが、辛いリハビリへと突き動かした。