衆議院で与党が過半数を割り込む中、おとといの自民党に続いてきのうは同じ与党の公明党が、国民民主党と幹事長会談を行った。一連の会談で、自民・公明両党は国民民主党と政策ごとに協議を進めることで一致し、このうち、公明党と国民民主党は、いわゆる「103万円の壁」をはじめとする年収の壁の見直しについて協議することを確認した。自民、公明両党は来週にも国民民主党と3党で協議を始めたいとしているが、国民民主党はまずは各党と個別に協議を進めたい考えで、日程のほか協議の在り方も調整が行われる見通し。また石破総理大臣は、特別国会が召集される見通しの今月11日に国民民主党の玉木代表と会談する方向で調整を進めていて、政策の協議を含め協力を呼びかけるものと見られる。一方、「103万円の壁」を巡り、政府与党内には“国民民主党の主張どおりに所得税の基礎控除などを178万円に引き上げれば国民の税負担は軽くなるものの、国と地方合わせて7兆円から8兆円程度の減収が見込まれる”として、慎重な意見がある。このため、基礎控除などの金額を178万円よりも低く設定することで、減収の幅を抑える案などが出ていて、今後の協議で3党が折り合えるかが焦点となる。こうした中、野党側では、立憲民主党の野田代表が国民民主党の玉木代表と連休明けに会談する予定。政策活動費の廃止を含む政治改革の実現などで連携を呼びかけ、野党勢力の結集に向けた働きかけを続けることにしている。さらに特別国会を巡り、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、共産党の野党4党の国会対策委員長は来週、与党側に十分な会期を取るよう求める方針で、野党間の動きも活発になる見通し。