ヨーロッパ最大の経済大国ドイツで財政政策などを巡る連立政権内の対立によって政権の枠組みが崩壊し、ショルツ首相は来年3月末までに議会選挙を行う意向を表明した。ドイツではショルツ首相の与党で中道左派の社会民主党や市場経済を重視する自由民主党など3党による連立政権が続いてきたが、経済や財政政策などを巡る対立が深まっていた。こうした中、6日に行われた3党による来年の予算案などに関する協議も合意に至らずショルツ首相は記者会見を開いて自由民主党の党首を務めるリントナー財務相を「政党の利益を優先している」などと批判し、解任したことを明らかにした。そのうえで連立政権の枠組みが崩壊したことから来年3月末までに議会選挙を行う意向を表明した。ドイツはヨーロッパ最大の経済大国でロシアが軍事侵攻を続けるウクライナに対し米国に次ぐ規模の支援を行っている。米国の大統領選挙でトランプ前大統領が勝利し、ドイツやヨーロッパとしてどう関係を構築していくかが問われる中、連立政権の崩壊による政治の停滞がどのような影響を及ぼすかも焦点となりそう。