鳥取県若桜町で認知症の女性が病気に発症する前に描いた絵の展覧会が先月開かれた。主催したのは視覚障害のある女性の夫・松岡義人さん。55年前に結婚した二人はいつも一緒に旅行を楽しんでいた。しかし女性は9年前に認知症を発症。病状が悪化して3年前から入院し、二人はめったに会えなくなった。入院して間もないころ、部屋を掃除しているときに20年以上前に描かれた花の水彩画25点を見つけた。特に印象だったのはひまわりの絵。かつて二人で旅行中に見たひまわり畑の光景が目に浮かんだという。義人さんは去年から展覧会の準備を進め、迎えた展覧会初日。続々と訪れた来館者たちは2人の思い出が詰まったひまわりの絵をじっくりと見ていった。面会の日、義人さんは病院へ向かい、思い出の花々について語りかけた。義人さんは朋子さんへ毎週手紙を届けている。これまで3年間で400通近くになる。