民間のシンクタンクによると、何も対策を取らなければ2030年には全国のおよそ35%の荷物が運べなくなるという試算もあるが、物流の現場では対策が広がりを見せている。埼玉県草加市にある食品配送会社が9月に導入した新しいトラックは、小柄や腕力が弱い人でも働きやすくなっているのが特徴。例えば、荷物を固定するゴムを収納する場所を手が届きやすいように従来より13センチ低くし、停車するときのサイドブレーキをスイッチで操作できる電動のブレーキにした。この会社では性別を問わず働きやすい環境を整えることで、多くドライバーを確保したいと考えている。配送の効率化を進める企業もある。さいたま市緑区にある大手飲料メーカーの配送センターでは、ドライバーの手続きをDX化した。積み込み場所の情報などがスマホに届き、ドライバーがその場所に向かうと、すぐに積み込みができるような状態になっている。無人のフォークリフトが事前にバックヤードから運び出すことで、ドライバーの待ち時間を短縮した。こうした取り組みによって、荷物を積み込む時間は従来と比べて3分の1ほどになった。さらに配送効率を上げるため、ペットボトルの形を円柱から四角柱にした。箱詰めしたときの隙間を減らすことで、段ボール箱も小型化できるようになった。一度に積み込める量が増えたことで、輸送に必要なトラックの台数を従来に比べて1割減らすことができた。最近は食品メーカーなど、同じ業界でライバル関係にあるが物流では協力して一緒に運ぼうという取り組みも増えてきている。