半導体のメーカーで、世界最大手の台湾のTSMCが今、日本企業との連携や、人材の確保を進めている。半導体の設計には、ソフトウエアなどの技術が必要。半導体の生産を委託する企業は、そうした最新の技術を取り入れることができるとしている。一方、TSMCは、日本のニーズに合わせた半導体の設計ソフトの技術も取り込み、新たな受注につなげるねらいもあると見られる。連携を深めることに、期待を示す企業も。TSMCは、人材の確保も進めている。会社では、熊本県菊陽町で、年内に本格稼働を予定している第1工場に加え、第2工場の建設工事を来年3月までに始めることを計画。工場を運営する子会社は、専門知識を持つ人材を2つの工場で合わせておよそ3400人雇用することを目指している。しかし、半導体業界は、人材不足という課題に直面していて、危機感を持っている会社はことし初めて、対面形式でのインターンシップを開催した。こうしたTSMCの動きの背景には、常に技術の革新が求められる半導体業界の激しい競争がある。パソコン向けの半導体で大きな存在感のあったインテルは、TSMCや、生成AI向けの半導体に強みを持つ米国のエヌビディアなどとの競争が激しくなり、業績が低迷した。かつて世界の半導体産業を席けんしていた日本も、海外勢に押され、大きく水をあけられている。