台湾ではきょう、与党・民進党の頼清徳氏が新たな総統に就任する。就任演説で頼氏が、中国との関係について、どのように述べるのか注目されている。総統府の上には『中華民国第16代総統就任を祝う』という文字が掲げられていて、就任式の準備が整ってきている。きょう、台湾総統府で行われる就任式には、51の国と地域の代表団ら500人以上が参加する予定。日本からは過去最多となる30人以上の国会議員が出席するほか、米国からも元政府高官らが派遣されるという。総統に就任する与党・民進党の頼清徳氏は、中国との関係について、蔡英文総統の「現状維持」の継承を掲げて当選した。しかし、中国は頼氏を「台湾独立派」とみなし、警戒している。今年2月に台湾が実効支配する金門島周辺で起きた漁船の転覆事故を口実に、中国は海警局の船を台湾が管轄権を主張する海域に進入させるなど、圧力を強めている。中台関係の緊張が続く中、中国と距離の近い金門島では、緊張緩和を求める声が聞かれた。金門島の観光業者は「お互いの交流が途絶えた感じがする」「新総統には中国側と話をして、平和にしてくれるよう望む」と話している。きょうの就任演説で、頼氏が中国との関係について、どのように語るか注目される。