薬不足の解消に向け、政府はメーカー側に何度も増産を要請してきた。大手製薬会社で製造に携わる男性によると、高度人材の不足、薬価の引き下げがネックになっているという。薬価は政府が毎年決める薬の価格で、不足している薬の6割が単価10円を切る安さ。増産や設備投資をするにも、赤字になりかねない状況だという。一方で、膨らみ続ける社会保障費を抑制するために薬価の引き下げを求められている事情もある。神奈川県立保健福祉大学の坂巻教授は「安定供給が必要なものは薬価を引き上げる。あるいは、薬価が下がらないよう下支えをする」などと提言した。