奈良は1300年前に平城京の都があった場所で都の中心部を首謀するように東西に大きな寺と神社が配置された。法相宗の大本山の薬師寺は南の門から北の門の直道まで一直線上に建物が並び、東西アシンメトリーに塔が配置される。南門を入ると威風堂々たる中門があり、中に踏み入れると御本尊をまつる金堂がある。中に入ると御本尊の国宝の薬師三尊像は奈良時代を代表する仏像。真ん中には薬師如来がいて、病気を治す仏様。脇侍には日光菩薩と月光菩薩。それまでの仏像は中国の仏像の影響で直立していたが、この仏像はゆったりとした動きをつけることでいきいきとした表情を生み出したのがこの時代の日本の仏像の新たな表現。そんな薬師寺が500年ぶりに完全な姿を取り戻した。