2024年2月10日放送 22:00 - 22:30 テレビ東京

新美の巨人たち
【世界遺産“薬師寺”500年ぶりの全貌×本上まなみ】

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(オープニング)
今回は…

今回は国宝の薬師寺を特集。

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オープニング

オープニング映像。

新美の巨人たち
古都・奈良の仏教美術館 薬師寺500年ぶりの復興

奈良は1300年前に平城京の都があった場所で都の中心部を首謀するように東西に大きな寺と神社が配置された。法相宗の大本山の薬師寺は南の門から北の門の直道まで一直線上に建物が並び、東西アシンメトリーに塔が配置される。南門を入ると威風堂々たる中門があり、中に踏み入れると御本尊をまつる金堂がある。中に入ると御本尊の国宝の薬師三尊像は奈良時代を代表する仏像。真ん中には薬師如来がいて、病気を治す仏様。脇侍には日光菩薩と月光菩薩。それまでの仏像は中国の仏像の影響で直立していたが、この仏像はゆったりとした動きをつけることでいきいきとした表情を生み出したのがこの時代の日本の仏像の新たな表現。そんな薬師寺が500年ぶりに完全な姿を取り戻した。

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薬師寺は680年に天武天皇が皇后の病気が治るように願って建てた寺で710年に今の場所に移転された。しかし奈良の有力な寺だった薬師寺も長い年月の間に自然災害や戦災の被害にあうことに。戦国時代の戦渦で奈良時代の建物はついに東塔だけになってしまった。そして今に至るまでの500年間は完全な姿を取り戻そうと少しずつ歩んできた。薬師寺に復興の土音が響いたのは昭和の中頃で、2つの塔を持つ現在の伽藍が蘇ったのは昭和の大復興がきっかけ。昭和の復興を指揮したのは西岡常一。最後の宮大工と呼ばれ、西岡はまず金堂と西等の再建に臨んだ。そこで問題になったのは、金堂を1000年残すために必要な樹齢1000年のヒノキの確保。西岡には木に対する強いこだわりがあり、日本では手に入らず、台湾の山奥を四回も訪れ仕入れた。さらに木材の加工のために槍鉋や手斧などの古代の大工道具を復元するという徹底ぶり。金堂は5年の歳月と樹齢1000年のヒノキを使用し1976年に完成した。

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西岡は次に西塔の再現に臨む。薬師寺で唯一1300年立ち続けている東塔。東塔について奈良文化財研究所の大林さんは三重で大きい屋根が3枚あるという。その下には裳階と言う部分がありひさしのような部分だという。せりだしては小さくなっているという構造で、西塔の再建は1977年からスタート。西岡は東塔に習って詳細な調査データや手書きの図面をノートにびっしりと記した。そして1981年には奈良時代そのままのスタイルで西塔を再建させた。しかしこの時ガンと戦いながら仕事をしていた。薬師寺の完全な復興を弟子に託し、1995年にこの世を去った。薬師寺には薬師三尊についで人気の仏像が。国宝の東院堂は鎌倉時代に建てられたがその中には国宝の聖観世音菩薩立像が。七世紀末から八世紀はじめ頃に作られた。アルカイックスマイルというギリシャ彫刻にもみられる謎めいた微笑みのことで仏像に気品を与えている。平成に入ると大講堂と食堂が再建された。大講堂は西岡が亡くなるまで関わっていた建物で、後輩たちが見果てぬ夢を引き継ぎ2003年に蘇らせた。2017年には北側に食堂が再建されたが元々は僧侶が食事をしたり、慰霊を行う場所だった。300人は入るという巨大建築で今は多目的ホールに。天井にはアルミで雲をあしらっているが、現代建築のようなあしらえで内部を設計したのは建築家の伊東豊雄。建築界のノーベル賞ともいわれるプリツカー賞を受賞している世界的に評価の高い建築家。食堂の壁面には仏教伝来をテーマにした壁画が。真ん中には高さ6mもある阿弥陀三尊の尊い姿がある。現代のアーティスト達の力によって薬師寺の完全復活に近づいた。

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薬師寺の大復興は令和の時代に大詰めを迎えた。奈良時代から唯一変わらぬに姿で建ち続けてきた国宝の東塔は2009年から14年をかけて解体修理が行われその屋根が解体され徹底的に調査された。屋根には1000年以上前の瓦が80枚残っていて、今回の大修理では貴重な歴史遺産として後世に残すために彩色はせずに傷んだ部分以外は現状のままとした。その東塔に去年500年ぶりに復元されたものが。それは釈迦八相像。東塔に4つ、西塔にも4つある。8つの場面が塔の心柱を囲う様に安置される。粘土で作られた釈迦八相像が塔の中にあったが破損して失われていた。その巨大な釈迦八相像を500年ぶり復活させたのは彫刻家の中村晋也。10年以上の歳月をかけ自らの想像力で場面をつくりあげた。東塔には釈迦の前半生の場面があり、西塔には後半生が描かれる。境内をさらに北へいくと平成になり新たに作られ建物の玄奘三蔵院伽藍は玄奘三蔵という西遊記の三蔵法師のモデルで法相宗の始祖。その建物の一角に壮大な作品が。

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平成になり新たに作られ建物の玄奘三蔵院伽藍は玄奘三蔵という西遊記の三蔵法師のモデルで法相宗の始祖。その建物の一角に壮大な作品が。玄奘三蔵の苦難の旅が中国の西安からインドのナーランダまで13の場面で描かれる。日本画家の平山郁夫が20年をかけて完成させた。

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(エンディング)
次回予告

新美の巨人たちの次回予告。

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