幕を下ろす形となった蘇民祭をめぐっては、ポスターが賛否両論となったものの、大原さんはこれによって多くの人が訪れるようになり、一緒に参加する人も増えていたと振り返った。黒石地区は地域の人口が885人しかなく、65歳以上の高齢者が半数以上となってしまっている。さらに、祭事に必要な木の切り出しや護符の準備も困難になってしまったという。保存協力会からはボランティアを募る案も出ていたが、藤波大吾住職は関係者が担当していた祭りの核になる儀式を変えてまで継続するのは本質ではないと言及し中止を決める形となった。大原氏は衰退する祭りの文化について、祭りに関わっていなかった人をどう取り込むかが重要と言及している。青森・今別町では荒馬まつりに足を運ぶために京都市の伝統芸能サークルの学生6人が参加しようとしたが、宿泊施設がなかったことで住民は閉園した保育園に学生を泊めて踊りを教えていて、これを受けて学生らは恩返しのために卒業後も足をはこぶようになった。また、マツリズムでは福島・二本松市では小浜の紋付祭りへの参加や片付けに参加するプログラムを行い、地域の担い手を育成しリスペクトし会える環境づくりを築こうとしている。