立憲民主党の打越さく良候補の脇を固めるのは、黒岩宇洋衆院議員などの同僚議員。立憲は去年の衆議院議員で、県内5つの選挙区全てで勝利。この日は西村智奈美衆院議員の地元の佐渡市を2人で回った。田んぼが広がる農村部では、農家が選挙カーへ手を振っていた。米農家との会話では、農業の大規模化を掲げる政府への不満が出ていた。立憲は農地を維持するための交付金として、0.1haの田んぼにつき2万3000円を支給する政策を唱えている。対する自民党が擁立した新人の中村真衣候補はシドニー五輪の銀メダリストで、東京大会では聖火ランナーを務めた。30年来の親友だという岩崎恭子や岡崎朋美などスポーツ界のレジェンドも続々と駆けつけ、総力戦を展開している。中村候補はJAの前で50人ほどの農家らを前に演説し、所得の保障を広げつつコメの値上がりを食い止めるため、流通経路を見直すことなどを掲げていた。演説を聞いた米農家が期待するのは、小泉改革。小泉大臣も応援に駆けつけ、「生産者が安心して増産に取り組め、消費者が安心して米を買える、そういった方向に必ず両立させていく」などと述べた。JA新潟の政治団体は自民党候補を推薦しているが、JA新潟中央会の伊藤能徳会長は「最終的には生産者の皆さんが判断すること。あまりにも次々と備蓄米を出して、生産者に不安を与えているという面がある」などと述べた。1人区になった2016年以降、参院選では自民が1勝、野党系候補が2勝。いずれも僅差で勝負が決まっており、この選挙区では毎回激戦が繰り広げられている。その与野党対決に割って入るのが参政党の平井恵里子候補で、第1次産業に従事する人を公務員化することを公約に掲げコメの増産を訴えている。NHK党からは新人の原田公成候補が、農業法人の参入拡大などを訴え出馬している。