近年、オーバーツーリズムに対して様々な対策が取られている。インドネシアにある世界遺産のボロブドゥール寺院では、入場者数を1日あたり1200人に制限している。イタリアの世界遺産ベネチアでは4月から試験的に日帰り観光客に対し日本円で約870円の入場料を課している。しかし、規制の方法を巡って議論になっているケースもある。世界自然遺産に登録されている沖縄県・西表島では名所の滝の直ぐ近くに髪ゴムやお菓子の袋などのゴミが投棄されていた。岩に残された何本もの傷は靴底によってつけられたものと思われる。竹富町では1つの事業者が1日に案内できる観光客数などの上限を定めた。一方、事業者の一つが規制の手法に問題があるとして訴えを起こした。事業規模に関わらずガイド可能な人数を一律に制限するやり方が自由な経済活動を妨げると主張。観光客の総数制限をかけた上での自由競争の担保が必要であるとしている。観光分野に詳しい日本総合研究所の高坂晶子氏は「地域社会全体で資源を守るにはどうすればいいかという枠組みで考えることで合意形成が進められることが望ましい」とコメント。