鹿児島県・霧島市の日当山地区で写真館を営む中村賢治さん。昭和24年創業のこの写真館では長年、日当山に暮らす人々の人生の節目を見つめてきた。今年8月、記録的大雨が降った霧島市では約600件が床上浸水するなど大きな被害が出た。この写真館でも貴重な写真や撮影用機材が泥に浸かり、廃棄せざるを得なかったそう。それでも地域の人たちや友人たちの支えで営業を再開した。まちを流れる天降川流域に200以上の源泉が広がる日当山で、朝早くから営業している公衆浴場を見つけた。住民の有志が運営するこの「西郷どん湯」は西郷隆盛も浸かった地域に愛される名湯。中村良美さん(72)は「湯守」と呼ばれる管理人として住み込みでこの湯を守っている。水害が起きたあの日、中村さんは公衆浴場に併設された宿泊施設の2階に避難した。泥水に埋もれてしまった西郷どん湯だったが、災害ボランティアの助けも借りて地域の住民が力を合わせて再建した。中村さんの好きな景色は霧島連山などの大自然の絶景。中村さんは「水害があってもこの自然から前向きに生きていく力をいただいている。」と話す。国道沿いを歩いていると、営業を再開するという張り紙をしているカフェを発見。後藤裕二さんはこのカフェのオーナー。16年前、妻・奈津子さんの故郷・日当山に東京から移住してきた。まちが賑わえばという思いで始めたお店は地域の人たちにも親しまれる場所になった。その願いを実現してきたカフェも水害で被災。地域の人たちや常連客からの励ましの言葉を支えに再オープンの準備を進めてきた。先月20日、店は再オープンした。後藤さんは「人の集まれる場所が戻ってきた。みんなが立ち寄ってどんな話でもできる場所であり続けたい。」などと話す。日当山駅があるJR肥薩線は8月の豪雨で被災した一部区間が今も不通となっているが、来年6月末の運転再開を目標としているという。
