老老介護をめぐっては、介護する側の高齢者に身体的・精神的な負担がかかり、結果として介護する側も介護が必要となる「共倒れ」のリスクがある。専門家の高野教授によると、介護生活が長期化し、サポートも受けられず孤立すると、介護している家族による虐待が起きるという。岐阜県大垣市の桐山さんは、82歳の妻を自宅で介護している。妻は、食べ物を飲み込む力が低下し、おととし、胃ろう造設手術を行い、桐山さんが1日3回、栄養剤と水、薬を注入している。2人はお見合い結婚し、2人の子宝にも恵まれた。妻は50歳でくも膜下出血を患い、認知症などの症状も出始め、夫の支えが不可欠となった。桐山さんは夜中でもこまめに起きて、介護している。訪問介護などを利用し、入浴などは任せている。桐山さんは、自身の体力の低下を感じていて、体力が続く限り自宅で妻を介護したいという。妻と一緒に生活し、介護することが生き甲斐になっているという。