現在250万人にのぼるとみられている一人で暮らす認知症の高齢者の消費者被害について、国が初めて大規模調査を行ったところ、被害を回避した事例が多くあったことがわかった。詐欺被害を回避できた、都内で一人暮らしをしている軽度の認知症の70代の女性。去年10月、自宅にNTTを名乗る電話がかかってきた。オペレーターのような女性の声で「電話料金の支払いが滞っているためすぐに支払いしてください」と告げられた。本物の電話かと信じかけたが、以前テレビで同様の電話への注意喚起を見たことを思い出し、警察に相談の電話をした。女性が被害を回避するきっかけとなったのは、お手製のメモだった。テレビや新聞で知った詐欺の手口を忘れないように書き留めた数々の対策のメモや、行政からの注意喚起の紙を電話機に貼り付けていた。女性の意識を高めていたのは地域の人たちだった。定期的に訪れている訪問看護師は、数年前から利用者に対策を呼びかけて、この日も消費者被害の最新事例を伝えていた。調査を行った認知症介護研究研修東京センターのセンター長は、「被害を防いでいくためには定期的に会って、いざという時に社会的な支援に繋げられる意味のある繋がり作りが何より大切です。それを後押しする政策を考えていくべきだと思います」と訴えていた。
