東京・調布市にある築50年以上のマンションでは800人を超える入居者は4人に1人が75歳以上となっているため、大規模災害時に”どう支え合うか”が長年の課題だった。いざという時支援が必要な高齢者に住民で対応するため、マニュアルを3年前に作成。これには確実に支援を届ける工夫がある。マニュアル作成の中心となった久保田潤一郎さんがまず取り組んだのは徹底した”現状把握”だった。災害時に支援が必要な名簿を初めて作った結果、支援を希望する人は”60人”にのぼることがわかった。どこの世帯にいるのかも一目でわかるよう、早見表も作っていた。マニュアルではボランティアが住民の安否確認や必要に応じて水や食料の支給などを行うことになっている。こうした支援を速やかに届けるため、住民には「安否確認マグネット」と事前に配布しているシートに具体的に書き込んでドアの外側に貼り付けてもらうことにしている。さらにマニュアルでは家具の転倒を防ぐ工夫や、初期消火に使う消化器の点検などを呼びかけいざという時に備えている。