国内から金を賭けることは法律で禁じられているオンラインカジノ。ギャンブル依存症と診断の男性は大学生のころにパチスロに、その後、競馬のネット投票に手を出するが、思うように勝てなかった。そして借金を重ね、生活が行き詰まっていたころに出会ったのが、オンラインカジノだった。違法かもしれないと思いつつ、のめり込んでいった。オンラインカジノについて、警察庁が初めて行った実態調査。現在も利用していると答えた人は全体の2%。過去に利用も含む経験者では3.5%になった。これを日本の総人口に当てはめると、利用者は196万7000人。経験者は336万8000人と推計される。年代別の経験率を見ると、20代が8.7%、30代が6.7%と、若い世代が中心で、10代の経験者も推計で17万人に上った。そして、1か月当たりの賭け金の平均は、およそ5万2000円。国内での年間の賭け金の総額は、1兆2400億円に上ると見られている。男性はギャンブル依存症と診断され、現在は回復支援施設で社会復帰を目指している。今回の調査でも、「ギャンブル依存症の自覚がある人」は60%に上った。そして、「違法だと認識がなかった」と回答した人が44%。また、初めて利用した理由やきっかけを尋ねたところ「ギャンブルが好き」のほかに、「無料版をプレーして実際にお金を賭けたいと思った」。「有名人、インフルエンサーがプレーしているのを見た」などの回答があった。ギャンブル依存の問題に取り組んできた団体は、無料版、有料版を問わずに一切の広告を禁止するなど、規制の強化を迅速に進めてほしいと話している。警察は改めて違法性の周知を徹底するほか、カジノサイトを宣伝して報酬を得る人や、広告塔になっているとされる著名人に対し、賭博のほう助に当たるおそれもあるとして注意を促すなど、踏み込んだ対策を進めていくことにしている。自民党の調査会は規制を強化する必要があるとして、合法なものだとうたい、カジノサイトに誘導するインターネット広告などを禁止するための法整備を目指す方針を確認した。各党にも協力を呼びかけ、今の国会で法改正を実現したい考えで、条文案の作成を急ぐことにしている。