材質の変化は車の燃え方にどう影響しているのか。車に関する調査研究を行っている日本自動車研究所の田村陽介は、「これは車の使用材料の違いによってどう延焼が違うか調べたもの」だと説明。左は新しいタイプの車、右は車体が主に鉄でできた古いタイプの車を比較。同じ場所に火を付け燃え方を調べてみると、10分後には左の車は火が車の前方に到達。20分後には車全体が炎に包まれた。一方、右の車は後方が燃えるに留まった。田村陽介は、今の車というのは安全装置とか快適性を向上させるために必然的に重くなってきている、軽量化を図ろうということで樹脂系とか低融点で溶ける軽量の金属材料が使われ始めている、炎の広がりが早くなる傾向になる、と話していた。なぜ燃え方に差が生じたのか。愛知・豊橋の豊橋技術科学大学の中村祐二さん協力の下、検証した。用意したのはABS樹脂というプラスチックの素材。破片に火を付けてみると、溶けて頻繁に落ちていく。実際は燃えにくくする加工をするが、燃えて溶けてしまう。車体にプラスチックなどが使われた車の燃焼実験を詳しく見ると、材料が溶け落ち、車両を下から炙り続け、全体を燃やす熱源の一つとなっていた。中村祐二さんは、プラスチックだから直ちに燃える、直ちに危険というわけでは全然ない、想定以上の熱量がかかるとプラスチックというのは燃料になる、早めに検知をして早めに誰かが消しに来るか自動で消すかという早めの対策をすること言うのが何より大事と指摘した。