日本が誇る甘いいちごは国内でも輸出が拡大している。2024年の輸出額は54億円で、10年間で12倍位上に増えている(財務省「貿易統計」を基に農林水産省が作成)。栃木県立のいちご研究所では、毎年1万株を新たに栽培し品種改良を続けてきた。約50年で県が開発した新品種は10種類で、輸出向けの主力品種「とちあいか」は8年前に誕生した。甘みが強くて身が大きく、病気にも強いのが特徴。栃木県は昨年度約7,000万円だった輸出額を、10年後には5億円に拡大させる方針を掲げている。海外向けに特化した農場も増えている。いちご農家の荒井聡さんは国内向けだけでは事業が先細りになると、7年前にタイやアメリカなどへの輸出を開始した。課題だったのは設備投資にかかるコストで、輸出するには国ごとに定められた安全基準をクリアする必要がある。タイの基準に合わせて殺菌装置を購入するなど、総額1,000万円をかけたという。さらに海外輸送に対応するため、パッケージも工夫されている。ここまでして輸出にこだわる理由は、高い利益率にある。JAなどを通した国内向けの出荷価格が1パック390円に対し、商社などを通してタイに輸出した場合は650円と、人件費を除いた利益率は85%にのぼるという。
