世界の基準金利といえるアメリカの長期金利が4.5%前後で高止まりしている。背景にあるのがアメリカ国債のおよそ3割を保有する海外投資家の需要の変化。アメリカの財務省によると3月末の中国のアメリカ国債保有額は7674億ドルとおよそ15年ぶりの低水準になった。2年前に1兆ドルの大台を割り込んでから急速な減速が続いている。また、コロナ対応の有事の財政支出のみならず、バイデン政権が平時にもインフラ投資雇用法などの施策を相次ぎ打ち出し、財政赤字を膨らませてきたのも響いている。4から5%程度の金利水準がニューノーマルになれば企業や投資家がそれを受け入れてなれるまでには時間がかかると思われる。(日経電子版)