政府は経済、財政政策の大方針となるいわゆる「骨太の方針」をまもなく閣議決定する見通し。今回は賃上げが進むなど経済回復への期待が高まる中、そのチャンスを逃すまいとする2つの柱が注目されている。1つめは産業競争力の強化のため、AIや半導体分野に対する国内投資拡大の必要性の強調。産業競争力の鍵を握るとする半導体メーカー「ラピダス」への支援を念頭に量産等に必要な法制上の措置を検討すると明記する。2つめは、大きく膨れ上がる国の借金問題。2025年度には政策のための経費が税収などの範囲内に収まるようにするという目標を復活させる。今回政府が力を入れたのが、AIやスマホ、自動運転開発などに欠かせない半導体への投資。ただ政府内では温度差があり、財務省からは「ラピダスはまだ成功するか分からない、ばくちのようなもの。予算については戦略的に進めるべき。国だけでなく、民間の支援も広げたほうがいい」との声も上がっている。一方、経済産業省は「日本の半導体ちょう落の要因は20年来、国が十分な補助金を出してこなかったこと」と主張。政府主導で「日の丸半導体」を復活させようと躍起になっている。