今月の政策決定会合で、追加の利上げに踏み切るかどうか注目されている日銀について。焦点となっている賃金の動向について、賃上げが必要だという認識が幅広い企業に浸透してきているという判断が示された。日銀は、全国の支店長らが出席する支店長会議で、地域経済報告をまとめた。日銀は追加の利上げを判断するうえで賃金の動向を重視しているが、これに関連した雇用・所得の項目で、すべての地域で「緩やかに改善している」などとした判断を据え置いた。さらに会議の総括では「中小企業を中心に慎重な姿勢があった一方、全体としては人手不足を背景に、継続的な賃上げが必要だという認識が幅広い企業に浸透してきているという報告が多かった」としている。日銀の植田総裁は先月、「次の利上げの判断に至るまでにはもうワンノッチ(1段階)欲しい」と述べていた。賃上げに向けた動きがさらに鮮明に出てくるかどうかを見極めたうえで、追加の利上げをするかどうか判断したいという考えを示していた。今回の報告や春闘に向けた動向を政策判断にどう反映させるかが焦点となる。