大雨をもたらす線状降水帯について、予測できなかったケースはおよそ5割だった一方、予測が的中したのは1割にとどまったことが、気象庁のまとめで分かった。線状降水帯は、発達した積乱雲が帯状に連なって大雨をもたらす現象で、気象庁は、予測された場合に半日程度前に情報を発表して警戒を呼びかけている。気象庁によると、ことしは先月末までに線状降水帯の発表が、県や地域別に合わせて17回あったが、予測できなかったケースはおよそ5割に当たる9回だった。こうした見逃しの割合について、気象庁は当初の想定の範囲だったとしている。一方、予測した81回のうち、的中したのは8回とおよそ1割にとどまり、当初見込んでいた4回に1回程度の的中率を大きく下回った。線状降水帯の予測を巡っては、精度が高まったとして、ことし5月に11のブロックから、県や地域などのより細かい単位で発表するようになったが、対象を絞り込めずに多くの県や地域を挙げて空振りしたケースもあり、運用の見直しが的中率を下げる要因の一つとなった。