この日、桝さんが暗い時間からお邪魔したのは静岡県の定置網漁。定置網漁とは、海の中に大きな網を仕掛け、そこに入ってきた魚をまとめて引き上げる伝統的な漁法。何がとれるかはその日に網を引き揚げるまで分からない。「旅するエプロン」の2人と合流し、朝の市場を調査した。網代漁港の特徴は魚の種類の多さ。江戸時代から守ってきた「特定の魚だけを獲りすぎない漁」の仕方。しかしその漁法故に、網に入ってしまった調理が難しい魚たちは買い手がつかず、かといって海に戻すわけにもいかない。これらの魚を「未利用魚」という。いま、日本全体では漁獲量が激減しているが、未利用魚は年間約100万トンも廃棄されていると言われている。限られた海の資源を大切に使うため、この未利用魚を利用することが地球を救うカギの1つとなる。