能登半島を舞台に世界一のケーキ職人を目指すヒロインの成長を描いた物語「まれ」。放送の翌年にはドラマに登場したセットなどを展示する施設が輪島市朝市通りの近くに設けられるなど、地元でも親しまれた。しかし、元日の地震の後に発生した大規模な火災で施設は全焼し、唯一ケーキを模ったオブジェだけが残った。「希空~まれぞら~」で地元にエールを届けようとしている日本航空高校石川の藤井一弥さんは「日常が消えたような感覚」などと話した。練習に打ち込んだ部室では打楽器が床に転がり、楽譜を入れていた棚も倒れ授業も部活動も出来なくなった。今は山梨県内にある系列校で、避難してきた部員とともに活動を再開している。藤井さんは今月呼びかけに応じて地震チャリティーコンサートに参加した。そこで演奏する曲を選んだのが「希空~まれぞら~」である。藤井さんは「エネルギーのあるメロディーでとても強いメッセージが込められている」などと話した。本番の日は歌に合わせて故郷の想いを奏でた。藤井さんは「私達のサウンドが復興に繋がっていく。誰かの希望になれる音楽をつくりたい」などと話した。また「まれ」に出演した中川翔子さんが「撮影で訪れたときの景色、今でも鮮やかに蘇る。その縁で輪島でコンサートも開催させて頂き希空を合唱できたことが人生の宝物の時間だった。どうか1日でも早く暖かい日々に戻れるよう祈っている」などとコメントした。また金沢市と能登半島を結ぶ「のと里山海道」では路面に特別な舗装がされ、走るとまれの主題歌が聞こえてくる道路が先週15日から緊急車両に限り、通行できるようになったという。