三菱UFJ信託銀行の酒井基成さんに話を聞く。酒井さんのドル円予想レンジは142.00円~143.50円。酒井さんは「FOMCは政策金利は予想通り据え置きだったが注目されたFOMCメンバーの政策金利見通しドットチャートについて、前回提出された50ベーシスポイントから75ベーシスポイントになった。市場では利下げ期待が進むなか米金利低下、ドル売りが進行。ECB、BOE、スイス中銀、ノルウェー中銀の政策金利発表を控えている。ECBについては政策金利は据え置きが見込まれているが経済物価見通しとラガルド総裁の会見で市場が早期利下げ期待を強めている状況に対し牽制球を投じるかがポイント。内容次第ではクロス円もふらされる展開となるため注意」などと述べた。注目ポイントは『年末の米ドルアノマリー』。酒井さんは「ドルインデックスの15年間の12月の動きを見ると15回中11回下落していて、下落傾向がある。さらに条件を1月末から11月末にかけてドルインデックスが上昇した年に限定すると8回中7回下落している。12月中に決算をむかえるヘッジファンドなどが利食いを行うことが原因ではないかと思う。ドルについては今年はドル売りに出やすい。円についも売り地合いになりやすい。円キャリー・トレードの安定性と投資妙味が増している。外国銀行の在日支店の本支店勘定における資産は増加。ドル売りアノマリーと円キャリー・トレードがぶつかりドル円は現在の水準でも見合う展開と予想する」などと述べた。