FRBは今月1日までの2日間、金融政策を決める会合を開いた。1日に公表された声明では、経済活動は堅調なペースで拡大している、インフレ率はこの1年で和らいでいるが依然として高い水準だとしたうえで、新たにこの数カ月間2%の物価目標に向けたさらなる進展はみられないとの文言を盛り込んだ。そして、政策金利を現在の5.25%から5.5%の幅と、約23年ぶりの高い水準のまま据え置くことを決定した。FRBが金利を据え置くのは6会合連続。FRBとしては高い金利水準を維持することでインフレを抑え込む狙い。FRB・パウエル議長は会見で早期の利下げに慎重な姿勢を見せた。一方でインフレを抑えるための利上げの可能性については低いとの考えを示した。ニューヨーク外国為替市場ではパウエル議長が更なる利上げは必要ないとの認識を示唆したと受け止められ、日米の金利差が拡大することへの懸念が和らいで円を買ってドルを売る動きが出た。円相場は一時、1ドル=157円台前半まで値上がりした。