高島さんの予想レンジは142~145円、注目ポイントは「日本株とドル円」とし、「長期的に見るとドル円と日本株は準相関の関係があり、今回のドル円と日本株の下げというのはその長期的な関係に沿った動きだと思われる。ただ新型コロナ危機以降の数年間を見ると、日本株とドル円の相関はほぼなくなっていた。具体的には2024年くらいまで日本株の低迷が続くなかでドル円の上昇が続き、逃避通過的な円高の動きが見られなくなっていた。2022年から始まったFRBによる急激な金融引き締めの影響が大きかったことが要因だと思われる。米株とFRBの政策金利をみると、FRBの利上げを受けて米株が調整局面にあったことがわかる。米株との相関が高い日本株も低迷したが、ドル円は金融引き締めによる米ドル高に追随してドル円は上昇するドル高円安が進む格好になった。世界的なインフレを背景とするFRBの金融引き締めが米国市場の変化、米ドル高と米株安を通じてドル円と日本株の相関を弱めた。インフレ圧力が後退するなかFRBが金融緩和に転じてきており、米株が下落するような景気不安が台頭するときに金利差縮小からドル円は下落する。一方で日本株も米株にもつれ安となりやすい。新型コロナ危機以降の異常な金融経済情勢が終わり、米株安や日本株安にドル円下落で反応するリスク回避的な円高の動きが見られるようになってきた。今回はトランプ関税ショックもあるが、アフターコロナ時代に移行してきたというのが底流で起こっている変化だと整理している。急激な円高は止まると思うが、米株の底入れのためにFRBが利下げを余儀なくされる場合においては米金利低下に伴う米ドル安にドル円も追随するだろうから、日本株高とゆるやかなドル安円高が共存することも考えラエルと思う。」などと述べた。