SMBC日興証券・野地慎氏が解説。野地慎氏のきょうのドル円予想レンジは142.00円~143.00円。野地慎氏は「本日は米国は休場となる。今週も不安定な債権市場をにらみながらドル円が変動しそう。米国債の格下げが公表された余波が残るなかで米国債利回りが上昇すればドルへの不安から円高が生じやすい点に注意」などと述べた。注目ポイントは「米インフレで景気減速ならドル安進む」。野地慎氏は「米国債格下げなどからドルへの不安が高まり、ドル円にも売り圧力が高まっている。ドルの実質実効為替レートに注目すれば2021年以降に大幅な上昇が起きていることがわかる。実質実効為替レートはインフレ率の影響を取り除いたもの。2022年以降の原油高を主因とするインフレの中でもドルが大きく買われていた。米国の政策金利からインフレ率を引いた実質政策金利に注目すれば2022年以降の利上げで大幅プラス。高いインフレ以上に政策金利が高いことがわかる。アメリカの景気が強かったからこそドル高が進んだ。アメリカの景気を押し上げたのはバイデン政権の財政拡張政策や株高だったと考えられるが2025年にはサポート材料が薄れるなか、関税によるコストプッシュインフレで消費が減速するとの思惑も強まる。景気減速でFRBが利下げを行うことになる場合、政策金利の低下とインフレ率の上昇が同時に起きるため実質政策金利が急低下する可能性がある。関税によるインフレで景気減速となる場合、足元のドル安傾向が進む可能性がある。ドル円が140円を割り込む可能性もある」などと述べた。