須田有美さん、48歳。難病を患い、手足が動かせない。有美さんの病気は国が指定する難病「遠位型ミオパチー」。徐々に筋肉が動かなくなる病気で、根本的な治療法も治療薬もない。日本では珍しくわずか400人程度しかいないといわれる。先の見えない闘病生活を支えたのが夫。2人は有美さんが29歳の時に結婚した。仕事も同僚からのサポートを受け全てが順調に思えた。そんな時期だった。夫が突然、脳出血で倒れそのまま帰らぬ人になった。夫の死から4年ほどたった今年、ヘルパーさんの「やりたいことはないか」という言葉が「飛んでみたい」と思ったことを思い出させてくれた。仲間の助けを借りパラグライダー用の車椅子に。大空に舞った有美さん。彼女にとって、そこは自由を感じられる世界だった。前向きに挑戦ができた有美さん。病気に関しても明るい材料がある。これまでなかった遠位型ミオパチーの新薬が今年3月、厚生労働省に薬事承認された。有美さんが最初にこの新薬の話を耳にしたのは16年前、採算などの事情もあり承認までに時間がかかり、有美さんはもう少し早く飲めればと語った。ただパラグライダーを経験したことでやってみたいことは自分の気持ち次第で叶えられると感じたと話、今後は富士山に登ってみたいと話してくれた。