「散歩の『散』は薬」について、早稲田大学の渡邉教授が解説。「散歩」は古代中国でできた言葉。そして、散歩の「散」は三国志の時代に流行った五石散という薬のこと。「抱朴子」という書物に書かれていた五石散は、「単砂(水銀)」「雄黄(ヒ素)」「白凡(ミョウバン 石の結晶)」「曽青(銅)」「慈石(鉄鉱石)」から成る。当時は水銀やヒ素が有毒だと知られておらず、実は五石散は毒性のあるものを少しずつまとめてのむ毒薬のようなものだった。当時、五石散は体が熱くなり感覚が研ぎ澄まされる効果があるとされた。一方で、五石散が体内の1カ所にこもると中毒を起こし死ぬ可能性もあった。そこで、薬を体内に行き渡らせるために歩き回って血行を良くすべきだと信じられていた。その行為を「行散」と呼んでいて、これが「散歩」の語源とされている。
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