沖縄戦最後の激戦地「糸満市」で戦没者を慰霊し、沖縄戦の体験者や若い語り部などと懇談した天皇皇后両陛下と長女の愛子さまは、那覇市にある対馬丸の犠牲者を慰霊碑を訪ねられた。対馬丸は終戦前年の昭和19年(1944年)8月に疎開する学童たちを乗せて沖縄から九州へ向かう途中でアメリカ軍に撃沈され、確認されただけでも780人余りの学童を含む1500人近くが犠牲になった。この場所には上皇ご夫妻も戦後70年の翌年に控えた平成26年に訪問されている。続いて近くにある対馬丸の悲劇を伝える対馬丸記念館を訪問された。館内には犠牲になった学童や引率の教師など400人余りの遺影のほか、筆箱などの遺品が展示されていて、ご一家はときより頷きながら館長の説明に耳を傾けられていた。対馬丸の生存者や遺族らと懇談し、天皇陛下は対馬丸の生存者で家族9人を亡くした男性に「本当にいろいろ大変でございましたですね」などと言葉をかけられていた。ご一家は本土復帰記念事業として開催された沖縄国際海洋博覧会の開幕から50年を記念した企画展を見たあと、6年前の火災で焼失した首里城の再建工事の現場を視察される。