輪島市にある重蔵神社は1300年前の創建以来、地域の守り神として地元の信仰を集めてきた。今年も元旦から初詣の人が集まっていた。しかし夕方4時過ぎ、能登半島地震が発生した。避難所となったのは地元の中学校。4℃の寒さの中、家族に1本お茶が配られただけだった。夜が明け能門亜由子は崩れた神社へ。奉納された米をとれるぶんだけとり、おにぎりをつくり配った。その頃、フレンチシェフの池端隼也は呆然と街を歩いていた。池端は全壊した店で仕入れた食材を見つけ、この食材で炊き出しをしようと考えた。1月3日、店の駐車場に使えそうな調理器具と食材を引っ張り出した。そのとき鮮魚店を営む中小路武士が通りかかった。一緒に炊き出しをしないか?と言われ、中小路は「やります」と答えた。池端がスープを作っていると、鴨肉を手に持った坂口竜吉が加わった。店舗が全壊した惣領泰久もオリーブオイルをもって駆けつけてきた。翌日も別の場所で炊き出し。スープを小分けにして配り続けた。4日たっても救援物資が届かなない。米もなくなりかけ能門亜由子は近くで料理人たちが炊き出しをしていることを聞いた。能門は池端を訪ね呼びかけた。池端たちは合流を即決。本格的な炊き出しプロジェクトが動き始めた。
住所: 石川県輪島市河井町4-68