4人が立候補した立憲民主党の代表選で野田佳彦元総理大臣が新たな代表に選ばれた。野田新代表はこれまで政治とカネの問題で自民党からはがれ落ちた保守層の受け皿になると強調してきた。1回目の投票では決着がつかず、野田元総理と枝野前代表による上位2人による決選投票になった。決戦を制したのは総理大臣経験者の野田候補。232ポイントを獲得し、新たな代表に選出された。野田は当選9回の67歳。旧民主党政権の2011年9月、第95代内閣総理大臣に就任したが、消費税増税を柱とする税と社会保障の一体改革の実現と引き換えに衆院の解散に踏み切ったが安倍総裁率いる自民党に惨敗。そんな野田新代表が今回、最も訴えたのが物価高対策などによる分厚い中間層の復活。かつては消費税減税を訴えていた立憲だが、野田新代表は消費税が社会保障の財源になっているとして安易に減税はできないと断言。そこで現金給付と税額控除を組み合わせた給付付き税額控除を掲げた。消費税を減税せず食料品などにかかる消費税負担をやわらげる効果が期待できるとしている。政策実現のカギを握るのは次期衆院選での野党間の連携。ただ、国民民主党や日本維新の会は給付付き税額控除ではなく消費税減税を訴えている状況。立憲も足並みをそろえるのか問われると、野田新代表は減税をしない党の考えを貫くとはっきり否定した。さらに世論調査では次の衆院選の投票先で、野党は自民党に大きくみずをあけられているのが現状。野田新代表は新体制の人事の骨格を明日の午前中までに決定し、今週中に次期衆院選に向けた総合選挙対策本部をつくると表明した。