能登半島地震の被災地では住宅の修繕工事がいまだに行われず、工事が始まるまでにこれからさらに1年近くかかると見られるケースも出ている。石川県穴水町の小川満さんの自宅は公費解体の対象とはならず、修繕工事を行って住み続けることを決めた。ただ、1年2か月がたっても工事が始まるめどは立たない。工務店に1000件を超える依頼が殺到していて、職人の数が足りず、工事の開始までにさらに1年近くかかると見られている。能登半島地震で被害を受けた石川県内の住宅は11万5000棟余り。被災してから工事が始まるまでに2年近くがかかると見られるケースも出ている。地元業者の深刻な人手不足に加えて、奥能登地域は交通のアクセスが悪く、宿泊できる施設も少ないため、金沢市などの都市部から職人を受け入れることも簡単ではない。金沢大学 融合研究域・豊島祐樹講師は、このような状況だと能登で生活をすることを諦めつぇ今人口流出に拍車がかかってしまうことが想定されるなどとコメント。珠洲市にある工務店では、工事の依頼が地震前のおよそ10倍に増えていて、金沢市にいる職人2人に応援で入ってもらうため、プレハブの宿舎を設置した。工務店の盤戸巧也専務は、多少無理してでも1棟でも多く地元の人の生活を守れる住まいを提供していきたいと話していた。専門家は、工事業者の宿泊場所として、能登に多い空き家を活用することも提案している。