備蓄米の放出が始まってもなおコメ価格の高騰が続く中、米を扱う飲食店の倒産が増えている。一方で、子育て世代を支援しようと独自にコメの補助券を配ることを決めた自治体も出てきている。都内にある寿司店を取材。店主は、価格高騰が続く米の現状を「仕入れ値は去年度に比べると1.7~1.8倍に近い。品質は絶対落とすことができない」などと嘆いた。また、米を原料とする米酢も約4割値上がりしているため、近く値上げに踏み切る考え。東京商工リサーチによると、先月の飲食店の倒産件数は過去最多の88軒。そのうち4軒が寿司店。17週連続で米の平均価格が値上がりする中、江藤農水大臣は今日の会見で「備蓄米自体もしっかり流通ができていないということは改善すべき余地が多分にある」などと述べた。政府は、毎週公表している全国のスーパー平均価格を関東や関西などブロックごとに算出することを検討。どの地域に行き届いていないかを見える化する狙いがある。新潟県三条市のスーパーでは、このところ1~2kgの米が売れ筋となっているという。そうした中、子育て世帯を支援しようと、自治体が米購入を独自に補助する動きが広がっている。福井市は18歳以下の子供がいる全世帯を対象に、福井県産の米を購入する際に使える5000円分の支援券の配布を決めた。約2万4000世帯が対象で、そのうち1人親世帯には3000円分上乗せする。今日の議会で補正予算が議決され、米の支援権は7月上旬を目途に各家庭に郵送される見通し。こうしたお米券の配布は、茨城・日立市や青森・弘前市などでも取り入れられている。田植えの季節を迎え、新米への期待も高まる中、今後の価格について米の生産者や卸売業者などでつくる団体は、今後3ヶ月の米価格は高くなる見通しが強まったと発表。政府は、7月まで備蓄米を放出を続ける方針。関係者は、去年に続き夏にかけて再び品薄になることへの不安が浮き彫りになっているなどと話している。
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