大阪・関西万博を巡っては、最新のアンドロイドなどが展示されたパビリオンも注目されている。パビリオンの入口で来場者を案内しているのはデジタル空間の分身・アバターだが、約600km離れた長崎県から来場者の案内を行っている。操作は「いらっしゃいませ」などののセリフの書かれたボタンを押すものとなっていて、会場では顔や声はわからないが、アバターの操作を行う平元清裕さんはお客さんが喜んでくれるのが嬉しいと話している。平元さんは高校生の頃に周りから取り残されるなどうつの感覚に陥ったことで約18年にわたり入院生活を余儀なくされた。入院が長引くと不安が強まり、大阪万博は関心があったものの自信が持てず足を運ぶこともできなかった。すでに70代となり気持ちの落ち込みを薬で抑える毎日となっていたが、4月に開幕した大阪・関西万博にはアバターを通じた来場者の案内を病院から提案されたことで万博に関わることができるようになった。平元さんはアバターがあったからこそ年齢も関係しなくて万博に参加できるようになると万博に参加できた喜びを話していた。来場者にアバターの操作が長崎から行われていることを伝えるとこういう形でお会いできるのはすごくいいなと思う・心のケアやリハビリにつながればといった声が聞かれた。病院のスタッフも元気を取り戻していることを感じているといい、平元さんは一生大事にしていきたいと万博の思い出を話していた。平元さんの通う病院や長崎大学が大阪大学と提携することで始まった試みとなっているが、大谷さんは多様な人が様々な場所で活躍できる可能性を高められる試みではないかと振り返った。