長期金利の代表的な指標となっている10年ものの国債の利回りは、きのう11年ぶりに1%をつけましたが、きょうも一時1%をつけた。長期金利の上昇で暮らしにどんな影響が出るのか。住宅ローンの固定金利は、長期金利が基準となっているため、長期金利の上昇が続けば連動して引き上げられる可能性がある。日銀がことし3月に、大規模な金融緩和策を転換したあと長期金利が上昇したことを受けて、メガバンク3行(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)は、今月適用する住宅ローンの固定金利をそろって引き上げた。固定金利の上昇傾向を受けて、取材した住宅メーカーでは、住宅ローンを組む顧客の約9割が、将来金利が上がる可能性もある変動金利を選んでいるという。東京都内のモデルルームの映像。住宅購入を検討する人のコメント。長期金利の上昇。家計にとっては、住宅ローンの固定金利の引き上げというマイナスだけではない。プラスの影響もある。金融機関の定期預金の金利引き上げや、生命保険では、契約者が受け取るお金が増えたり、保険料が安くなったりする可能性がある。保険代理店によると、去年の後半以降、保険各社の間で、保険料を分割して支払う「平準払い」の個人年金保険や子どもの教育資金を積み立てる学資保険、一時払いの終身保険などの一部で予定利率を引き上げる動きが出ている。保険代理店・菊池健史マネージャーは「保険の見直しを検討する人も増えている」と語った。家計や企業への影響について、みずほ証券・丹治倫敦チーフ債券ストラテジストは「長期固定ローン金利等が上昇することになる。家計の負担を上昇させることにもつながる。企業も社債の調達コストが上昇する」、国の財政への影響について「政府サイドからすれば調達コストが上昇するため、国の財政に関しては圧迫する方向になる」と指摘。その上で、外国為替市場への影響については「日米金利差が縮小する。基本的には円安を抑制する要因になる。ただ日米金利差が非常に大きい状態で、インパクトの大きさは限定されるだろう」と述べた。