中国では急速に少子化が進んでいる。湖南省長沙市の中心部にある通りに掲げられていたのは「愛がこの街に出会う」という言葉。ここは婚育文化街で、地元政府が若者の結婚・出産を後押しするために整備したもので今、中国国内でこうした施設が次々に作られている。少子化問題が深刻化し子供を増やすことが国家目標になっている中国は、今月発表された今年9月までに結婚した人の数は前の年の同じ時期より100万組近く減少し史上最低になった。生まれた子供の数がこの7年間で半減するなど対策が急がれている。婚育文化街の中にあったのは若者向けに結婚、出産にまつわる情報を発信する施設。案内されたのは赤ちゃんのおむつ替えやミルクを飲ませる体験ができる部屋で、妊娠の痛みを理解するため陣痛を疑似体験できる装置もあった。育児の方法について細かな指導も受けられるというこの施設。ただ、こうした政府の取り組みについて市民からは“国が子供を持つことを押し付けている”と批判の声が上がっている。中国メディアによると未婚の女性に対しても一部の役所から出産の計画を尋ねる電話があるという。若者たちは子育て支援の拡充など環境整備の必要性を訴えている。