遺骨を家族のもとに返すことを目指す長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会・井上洋子共同代表と伊水中探検家・伊左治佳孝さん。調査3日目。遺骨を探す潜水は最終日を迎えた。これまでの到達点265mより先に進むのは難しい。遺骨があると考えられる地点まで100m足らず。う回路も探したが、見つからない。坑道からは石炭や木の板が持ち帰られた。83年ぶりに遺骨が日の目を見ることはなかった。井上共同代表は「伊佐治さんに遺族の気持ちが伝わったと思う。伊佐治さんの気持ちも遺族に伝わったと。遺骨に巡り合えるように頑張っていきたい」と語った。4月には伊左治さんと韓国のダイバー2人が協力して再び調査することが決まっている。家族の帰りを待つ韓国の犠牲者遺族は「韓日の市民が親しく付き合えば問題はない。韓国政府にも協力してほしい」と語った。日本と韓国にとって、今年は国交正常化60年という節目。潜水調査は坑道がパイプや木で塞がれるなど障害は多い。だがその向こうに183人の遺骨がある。井上共同代表は「国をも巻き込んでやっていきたい。遺骨を見つけるまで。気持ちは全く揺らいでいない」と語った。