今大会、しれつを極めたのがシード権を獲得した3校と逃した1校。運命を分けたのは僅か7秒。その裏で中継には映らなかった駆け引きとドラマが。大手町へ向かう最終10区。10位以内が来年の箱根駅伝に出場できるシード権を獲得。11位以下は予選会からのスタートとなり調整が難しくなる。11位でたすきを受け取ったのは東京国際の3年、大村良紀。僅か2.4キロで22秒差を詰め10位、順天堂の2年、古川に追いついた東京国際、大村。このとき2人でシードを取りに行こうと東京国際の大村に声をかけたという。残り18キロを過ぎるとレース序盤から4校が集団に。この中でシード権を得るのは3校のみ。残り15キロ。帝京の1年、小林が先頭へ。今度は東洋の2年、薄根が少し前へ。駆け引きが続く。強いビル風を受ける中、順天堂の古川が積極的に先頭を走る。残りおよそ7キロ、帝京の1年生、小林がスパート。しかし、すぐさま3校が追いつき互いに譲らず再び集団に。残り1キロ、11位でたすきを受け取った東京国際の大村がラストスパート。3校を一気に引き離す。風の抵抗を受け続けた順天堂の古川が遅れた。4校による壮絶な争いは僅か7秒差で順天堂がシード権を逃した。11位の順天堂のタイムは4年前の駒澤の優勝タイムより速いハイレベルな争いだった。20年連続のシードを獲得した東洋大学のアンカー・薄根は試合後「怖かった。最後4年生のためにとれてよかった」と話した。わずか7秒差でシード権を逃した順天堂大学の古川は試合後、涙した。