アメリカ・トランプ大統領は「4月2日は解放の日だ。多くの国が何十年も米国を搾取してきた。それを止めなければならない」と述べた。これまで鉄鋼製品とアルミニウムへの関税措置や自動車への追加関税を表明してきたトランプ大統領。日本時間のあす午前5時に演説し、関税政策の中心的な位置づけとしている「相互関税」の詳細について明らかにする見通し。相互関税は、貿易相手国が課している関税が自国の関税よりも高い場合、同じ水準まで関税を引き上げる措置。詳しい仕組みやどの国や地域が対象となるかなどは、まだ明らかにされていないが、日本に対してどのような判断が示されるかが焦点。トランプ政権が関税措置で目指しているのは、貿易赤字を解消して自国の産業を守ること、関税を避けようと企業がアメリカに製造拠点を移すことで投資を呼び込み雇用を増やすことだ。しかし一連の関税措置などを受けて、このところ、ニューヨーク株式市場は下落傾向。アメリカが景気後退に陥るのではとの懸念も高まっている。アメリカ・ホワイトハウス・レビット報道官は「間違わない。うまくいく。黄金時代を復活させ、米国を製造業の超大国にする」と語った。
かつて日米貿易摩擦の最前線で交渉を担った元外交官(元外務省事務次官)・薮中三十二氏は「アメリカ・トランプ大統領の関税政策は、実りあるものにならないおそれがある」と指摘し、「関税をかけると世界経済に悪影響」と述べた。藪中氏が日米貿易交渉を担った1980年代、日本製の自動車やテレビの輸入が急速に増えたことで、対日貿易赤字が500億ドルを突破。ジャパンバッシングと呼ばれる日本への厳しい批判が巻き起こる。当時のアメリカ・レーガン大統領は、日本の大型オートバイを対象に45%もの関税をかけるなど、日本に対して次々と強硬策を打ち出した。藪中氏は「アメリカに堂々と言わないとドンドン向こうの要求が上がってくる」、関税を強行する最大の理由はどこに?「トランプ大統領の思い込みで“貿易赤字把握で、解消しなければいけない”。今は“国際ルールとかWTO(世界貿易機構)のルールなんて知ったことではない”と。アメリカが、トランプ大統領がどう考えるんだと、そこは当時と違うと感じる」と語った。
アメリカ・トランプ大統領の関税を巡り、同盟国や友好国などが見せ始めているのが報復の構え。EU(ヨーロッパ連合)・フォンデアライエン委員長は「必要な場合には、報復のための計画があり、実行する」、カナダ・カーニー首相は「アメリカ政府による不当な措置と戦う」と述べた。仮に各国が報復合戦になった場合、世界はどうなっていく?。元外務省事務次官・薮中三十二氏は「2つの心配がある。ひとつは貿易戦争。もう一つは同盟国、友好国を大事にしない。中国が“一緒になってルールを守ろう”と言っていて、中国の方が国際的に正しいのではという話にもなりかねない」と述べた。日本経済にも大きな影響があると指摘する薮中氏は最後に、歴史の教訓があるとしたうえで、日本が果たすべき役割について「第2次世界大戦の理由のひとつが保護主義、経済の動きがあったと。その反省の素多角的な自由貿易体制が、世界のためにいいとやってきた。堂々とアメリカと向き合って、トランプ大統領の懐に入るには“日本はアメリカと一緒に投資をやっている”と原理原則を言いながら、相手が少し喜ぶようなところも見せる。その辺のさじ加減が非常に大事」と語った。アメリカ・トランプ大統領が、今から7時間余りあとに明らかにする見通しの関税措置に、世界が身構えている。仮に報復の連鎖となれば、同盟国や友好国の間でも信頼関係が崩れ、世界の分断が深まる懸念もある。各国とも国益をかけた交渉になるが、元外務省事務次官・薮中三十二氏も話していたように、いかに国際秩序も守るのか、対する世界、そして日本には、したたかな外交戦略が求められることになりそう。
かつて日米貿易摩擦の最前線で交渉を担った元外交官(元外務省事務次官)・薮中三十二氏は「アメリカ・トランプ大統領の関税政策は、実りあるものにならないおそれがある」と指摘し、「関税をかけると世界経済に悪影響」と述べた。藪中氏が日米貿易交渉を担った1980年代、日本製の自動車やテレビの輸入が急速に増えたことで、対日貿易赤字が500億ドルを突破。ジャパンバッシングと呼ばれる日本への厳しい批判が巻き起こる。当時のアメリカ・レーガン大統領は、日本の大型オートバイを対象に45%もの関税をかけるなど、日本に対して次々と強硬策を打ち出した。藪中氏は「アメリカに堂々と言わないとドンドン向こうの要求が上がってくる」、関税を強行する最大の理由はどこに?「トランプ大統領の思い込みで“貿易赤字把握で、解消しなければいけない”。今は“国際ルールとかWTO(世界貿易機構)のルールなんて知ったことではない”と。アメリカが、トランプ大統領がどう考えるんだと、そこは当時と違うと感じる」と語った。
アメリカ・トランプ大統領の関税を巡り、同盟国や友好国などが見せ始めているのが報復の構え。EU(ヨーロッパ連合)・フォンデアライエン委員長は「必要な場合には、報復のための計画があり、実行する」、カナダ・カーニー首相は「アメリカ政府による不当な措置と戦う」と述べた。仮に各国が報復合戦になった場合、世界はどうなっていく?。元外務省事務次官・薮中三十二氏は「2つの心配がある。ひとつは貿易戦争。もう一つは同盟国、友好国を大事にしない。中国が“一緒になってルールを守ろう”と言っていて、中国の方が国際的に正しいのではという話にもなりかねない」と述べた。日本経済にも大きな影響があると指摘する薮中氏は最後に、歴史の教訓があるとしたうえで、日本が果たすべき役割について「第2次世界大戦の理由のひとつが保護主義、経済の動きがあったと。その反省の素多角的な自由貿易体制が、世界のためにいいとやってきた。堂々とアメリカと向き合って、トランプ大統領の懐に入るには“日本はアメリカと一緒に投資をやっている”と原理原則を言いながら、相手が少し喜ぶようなところも見せる。その辺のさじ加減が非常に大事」と語った。アメリカ・トランプ大統領が、今から7時間余りあとに明らかにする見通しの関税措置に、世界が身構えている。仮に報復の連鎖となれば、同盟国や友好国の間でも信頼関係が崩れ、世界の分断が深まる懸念もある。各国とも国益をかけた交渉になるが、元外務省事務次官・薮中三十二氏も話していたように、いかに国際秩序も守るのか、対する世界、そして日本には、したたかな外交戦略が求められることになりそう。