ことしの防衛白書では、ロシアによるウクライナ侵攻で安価な無人機が大量に使われていることなどを受けて、AIやドローンを活用した「新しい戦い方」についての項目を新設し、各国の対応を分析している。そのうえで、各国は長期戦を想定した「継戦能力」の確保に向けた取り組みを加速しているほか、AIや半導体などの先進技術を安全保障分野に積極的に適用しているとして、防衛関係の生産・技術基盤を強化することが重要だと強調している。スタートアップ企業の防衛産業への新規参入を促進するとともに、いわゆる「5類型」を撤廃し殺傷能力のある「武器」の輸出を原則可能としたことを踏まえ装備品の移転を戦略的に進めるとしている。また中国については、軍事力の質と量を広範かつ急速に強化しており「わが国と国際社会の深刻な懸念事項でこれまでにない最大の戦略的挑戦」だと指摘している。安全保障関連3文書の改定を目指す今年を節目の年と位置づけ、防衛力の強化を図る方針。一方「5類型」を撤廃し殺傷能力のある武器の輸出を原則可能としたことについては野党から懸念の声に加え十分な議論を欠いたとの指摘もなされている。
