政府は国立公園制度開始100年となる2031年までに全国に35ある国立公園のすべてに高級リゾートホテルを誘致し魅力を高める事業を実施する方針を固めた。背景にあるのは外国人観光客の急増。今年の訪日外国人はコロナ前の3188万人を上回って過去最多となる見通しだが、訪問先は東京や大阪などに集中している。そこで国立公園にリゾートホテルを誘致することで魅力を高め観光客の地方滞在を後押しするねらい。カリフォルニア州のヨセミテ国立公園には、最低1泊8万円のホテルがある。他にはない絶景が味わえるため海外では国立公園内のホテルは人気。政府は国内、外資問わず誘致を進めたい考えで岸田総理大臣が明日、政府の観光立国推進閣僚会議で表明する見通し。会議では、このほかオーバーツーリズム対策として富士山の山梨県側で進められている登山者数の上限設定や通行料の徴収が、静岡県側では国有地であることなどを理由に実施できていないため、静岡県側でも対策が進められるよう、政府が支援する方針を打ち出す。