小川哲が作家になったきっかけは。東京大学を卒業後、大学院へ進学。大学院在学中の2016年、「ユートロニカのこちら側」で文壇デビュー。この作品で、「第3回 ハヤカワSFコンテスト大賞」に輝く。初応募だったという。文章の書き方は。小川は「論文を書いていたくらいだった。相手に自分の考えを伝えるという意味では一緒。論文を書く時の意識を忘れないようにしようとしていた。形式は違う。小説はいっぱい読んできたから、これは小説として面白くないのはわかっちゃう。読者としての自分をクリアするように直していく。小説家になりたくて小説を書いた。自分の溢れる思いを表現したいよりは、小説家として食べていきたい。26~27歳くらいで考えた。それまでは大学の先生になろうと思っていた。大学の先生がサラリーマンになっていて、自分1人で好き勝手に自由にできる仕事を考えた時、小説しかないと言う発想になった」と話した。その後、カンボジアの現代史を絡めたSF作品「ゲームの王国」を刊行し、数々の賞を受賞。これを機に、大学院を中退、専業作家になることを決意。「嘘と正典」「地図と拳」と、話題作を続々と発表。作品ごとにテーマが変わる小川さんの物語の着想は。小川は「『地図と拳』は編集者から提案があって書いた。『ゲームの王国』は、アジア舞台の小説が少ないからアジア史を勉強してカンボジアを舞台に。自分が知っていることをネタにすると被る。被らないようにするには調べるしかない。書いてみてわからないことを都度調べている。研究者時代のやり方と近い。本当にどん詰まりになってどこにもいけない時もある。プロットは作ってないだけで頭の中にある。数学の答案を作るように考えている時はある」と話した。
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URL: http://www.shueisha.co.jp/
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