浮世絵師の葛飾北斎は遠方からの富士山に誰よりもこだわった。日本で唯一、三重県鳥羽市の千鳥ヶ浜で見られる浮富士は、どこか北斎が描いた富士山と通ずる。富士山から170km離れた茨城県の霞ヶ浦では牛久大仏と富士山のコラボレーションが見られる。100km離れた長野県塩尻市でも雲海と富士山の幻想美が見られる。北斎は富嶽三十六景の多くで手前にある風景と奥にそびえる富士山の対比を描いている。もう一つの特徴が水面。作品のほとんどで手前に水、奥に富士山を配していて、写真家の泊正徳が撮る景色と似た構図。泊は、浮富士を伊勢志摩の魅力を伝えるツールとして、230km離れた志摩からも見えるんやぞと知っていただく活動をやっていきたいなどとコメント。
